朝刊ヘッドライン・ニュース 2003年06月08日 |
現場は仁淀川河口西側の砂浜。約300メートルにわたって流木のほか、仁淀川に生い茂るヨシ、ペットボトル、発泡スチロールなどが、波打ち際から防波堤までを埋め尽くしている。住民らによると「台風のたびにいろんなものが浜に上がるが、今回は、前回の川の増水と間隔が空いたためか、特にひどい状況」という。 これらの漂着物による日常生活への影響は少ないが、ある住民は「放置しておくのは、あまりにみっともない」とあきれ顔。また漁業関係者は「パッチ網にヨシなどの細かな切れ端が交じると、シラスの商品価値がなくなる。早く撤去して、海に漂着物が入らないようにしてほしい」と漁への不安を話す。 これに対し、海岸を管理する県伊野土木事務所は「かなりの量があり、放置は好ましくない」とし、対応策を検討中。 ただ、「ある程度の費用は出せるが、全部の処分費用を負担するのは正直、難しい」と苦慮しており、「できればボランティアによる清掃などを行ってもらい、どうしても撤去できないものだけ行政が処分する方向で、住民や関係機関に提案していきたい」。 ある住民は「誰かを責めるような問題ではないが、背景の一つには仁淀川へのごみの不法投棄やヨシの繁茂など環境問題もある。そのことを流域全体に訴えたい」と話していた。 【写真】仁淀川河口の海岸に山積みとなっている流木やヨシなど(土佐市の新居海岸) |