朝刊ヘッドライン・ニュース 2003年07月09日 |
かるーい? 乗り心地です――。不織布でできた「紙カヌー」を、このほど異業種交流グループ「土佐技術交流プラザ」が製作した。試し乗りの結果、浮力、強度とも十分で、「紙の広い用途をPRする一つになれば」と製紙関係者ら。12日に吾川郡伊野町の仁淀川で“進水式”を行う。 「紙カヌー」は「紙への親しみがわく、遊び心のあるものを」と発案。同グループの会員で、紙風船などのヒット商品で知られる紙加工製造のヘイワ原紙(高岡郡日高村沖名、山岡陸宏社長)が中心になって製作した。 アルミ製のフレームのみ市販品を使用。1メートル四方の厚めの不織布を6枚重ね張りしてカヌーを作った。さらに、表面に雰囲気を出すため手すき和紙を張り、その上に撥水(はっすい)剤を塗布。強度を出すため「6枚の不織布は、紙の“目”がそれぞれ交差するように張り合わせている」(山岡社長)という。 長さ4メートルの艇の重さは30キロで、普通のカヌーよりもかなり軽め。試乗した同社の従業員は「乗り心地? 快適ですよ。軽いため少し重心が高いので、2人乗りでちょうどぐらい。岩にこすれたり当たっても、問題はありませんでした」。 同グループでは乗りやすさと安全性の面から、さらにサイズ、重心位置、フレーム素材などを研究し、今後、5隻程度を製作。伊野町で5月の大型連休に行われる仁淀川・紙のこいのぼりなど川のイベントに提供していきたい考え。山岡社長は「特に子どもたちに楽しんでもらえれば」と話している。 【写真】不織布でできた「紙カヌー」(日高村沖名の「ヘイワ原紙」) |