高知新聞 2004年02月12日 |
土佐三大祭りの一つに数えられる高岡郡仁淀村別枝の秋葉神社大祭が、11日行われた。穏やかな天候に恵まれ、例年以上の人出となる中、古式ゆかしい装束に身を包んだ約200人の「練り」行列が笛やかね、太鼓のにぎやかな音にのって山里を巡り歩き、見物客を魅了した。 防火の神をまつる同神社の大祭は約200年の歴史を誇る。「練り」の行列は別枝地区の沢渡、本村、霧之窪の3地区がそれぞれ編成。午前9時に3地区の行列が岩屋神社で合流し、旧関所番の市川家、法泉寺、旧庄屋の中越家を経て、ゆっくり、ゆっくりと秋葉神社への山道を歩いた。 行列は所々で立ち止まり、祭りの花形である「鳥毛ひねり」などを披露。火消し装束の若者が、鳥毛のついた長さ約6・5メートルのさおを投げ、相方の若者がしっかりと受け止める。体をかがませ、重みに耐える若者がさおを持ち上げると、見物客から大きな歓声と拍手が起きた。 「秋葉さんのころには寒うなる」との言い伝えがあるが、今年は朝方冷え込んだものの、昼間は気温が上がり、風も弱い穏やかな日和。見物客からも「秋葉さんらしゅうない」という声が聞かれるほど。 午後3時すぎ、「練り」は神社に到着。「キョウサー、キョウサー!!」の勇ましい掛け声の中、男たちは最後の力を振り絞ってみこしを拝殿へと運び入れ、ボルテージは最高潮に。過疎、高齢化の進んだ山里は、1年に1度の熱気に包まれた。 【写真】「練り」の呼び物として名高い鳥毛ひねり。若者による力技が多くの見物客を魅了した(仁淀村別枝) |