高知新聞

2004年04月06日


仁淀川取水の意義後世に 伊野町で記念碑除幕

 仁淀川の水を高知市の飲料水として使う「仁淀川高知取水」の実現までの長い歴史や意義を後世に伝える記念碑が、吾川郡伊野町音竹の高知市水道局仁淀川取水所に完成。5日、両市町や県関係者ら約30人が出席して除幕式を行った。

 伊野町の仁淀川河床下から高知市に伏流水を導く仁淀川取水は、同市の慢性的な水不足の抜本対策として平成9年4月に通水した。しかし実現までには、地下水の減少を懸念する流域市町村との交渉が難航。同市が昭和42年に大渡ダム建設計画に参画してから、30年の年月を要した。

 記念碑は、そうした経過と関係者や流域住民の労苦、水のありがたみなどを風化させないようにと同町が建立。高さ2・1メートル、幅2・4メートルで、平成3年に井上長英・元伊野町長、横山龍雄・元高知市長、中内力・前知事(いずれも故人)が協定を締結した際の写真(アルミ板に焼き付け)を張り、協定内容や経過を刻んでいる。

 除幕式では、塩田始伊野町長が先人の苦労に敬意を示し、「子どもたちに豊かな仁淀川を残す必要がある。水の対価として高知市から頂いている取水協力金を、仁淀川保全に投資していきたい」とあいさつ。

 岡崎誠也高知市長は「この冬も雨不足で、取水がなければ市民生活に深刻な影響が出ていた。高知市も仁淀川流域の中で、山や川を守るために努力していきたい」とあらためて感謝の気持ちを強調した。

 仁淀川取水の総事業費は約140億円。同町八十(やそ)地先に埋設した集水管から伏流水を取り、延長約3・9キロの導水トンネルで、日量最大6万トンが高知市の針木浄水場に送られている。

 【写真】仁淀川高知取水を後世に伝えようと建てられた記念碑(伊野町音竹)




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