高知新聞

2004年07月08日


昨年の四国内一級河川水質 仁淀川が1位

 国土交通省四国地方整備局は7日、平成15年に管内の一級河川で実施した水質調査の結果をまとめた。汚濁の度合いを示すBOD(生物化学的酸素要求量)値の比較で、前回2位だった仁淀川が1位。5位だった物部川が4位、2位だった後川が5位にランクアップした。

 調査は昨年中に、四国内の一級河川8水系の52地点で行った。本県の調査地点は物部川、仁淀川(支流=宇治川、波介川)、四万十川(同=後川、中筋川)、早明浦ダムの計16カ所。

 BOD平均値(1リットル当たり)のベスト5(平均値が同じ場合は年間最低流量時以外の水質で評価)は、(1)仁淀川、穴吹川(徳島県)0・6ミリグラム、(3)那賀川(同)0・6ミリグラム(4)物部川0・8ミリグラム(5)後川、吉野川(徳島県)0・8ミリグラム。ワースト3は(1)石手川(愛媛県)4・7ミリグラム(2)宇治川2・0ミリグラム(3)波介川1・8ミリグラムだった。

 全体の環境基準値適合率は74・5%から83・7%に上昇。水系別では物部川(前回100%)と仁淀川(同100%)が100%、四万十川(同75・0%)は80・0%。

 環境ホルモン疑い物質 県内2河川で検出

 四国地方整備局は7日、四国の一級河川で昨年秋に実施した内分泌かく乱物質(環境ホルモン)調査の結果を発表した。本県では環境ホルモンの疑いのある物質が、仁淀川で3物質、物部川で2物質検出された。

 管内の一級河川5水系5地点(水質)で8物質を、3水系3地点(底質)で1物質を調べた。

 この結果、水質調査で仁淀川の中島と那賀川(徳島県)の那賀川橋で1リットル中0・02マイクログラムの「4―t―オクチルフェノール」を検出。重信川(愛媛県)の出合橋と土器川(香川県)の丸亀橋で0・1マイクログラムの「ノニルフェノール」、仁淀川中島と物部川の深渕で0・01マイクログラムの「アジピン酸ジ―2―エチルヘキシル」、重信川の出合橋で0・0032マイクログラムの「エストロン」が検出された。

 底質調査では、「ベンゾ(a)ピレン」が物部川の深渕で5・5マイクログラム、仁淀川の中島で1・9マイクログラムが検出された。

 それぞれ検出量は前年に比べ増減があるが、環境基準が設けられていないため、同局は「人体への影響は不明」としている

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