高知新聞 朝刊ヘッドライン・ニュース 2005年10月17日 |
冬の山里で時代絵巻が繰り広げられる「秋葉まつり」の写真集「土佐秋葉まつり 練り」が出版されたことを受け、「『練り』の出版を祝う秋葉まつりファンの集い」が16日、高知市鷹匠町1丁目の三翠園で開かれた。郷土の祝いと駆けつけた旧仁淀村の村民や、この祭りを愛する県民ら約230人が出席した。 200年以上の歴史を持つ秋葉まつりをテーマにした同写真集。旧仁淀村の村教委が主催していた「秋葉まつり写真コンテスト」の作品を中心に作製。祭りの魅力を紹介し、さらに発展を目指そうと7月末に出版した。 「集い」は出版を祝うと同時に、この祭りを愛する人の交流の場にしようと、有志(発起人代表=藤村楠正・旧仁淀村村長)が企画した。 祭り同様、ほら貝の合図で総指揮役の鼻高が、道化役の油売りなどを引き連れ登場するところからスタート。秋葉神社祭礼練り保存会の吉岡郷継会長が、過疎の進む山村の現状を交えて「秋葉まつりは子どもたちのいなくなった地域で、昔からの村民により続けられている。守って後世に伝えていきたい」と涙ながらにあいさつ。出席者は静かに聞き入っていた。 乾杯の後は、会場は祭りや旧仁淀村のことで話に花が咲き大盛況。途中、鼻高と油売りらが会場を練り歩き、祭りの風景を再現。デジタルカメラや携帯電話のフラッシュが光り、鼻高や油売りと記念撮影する人も多かった。 吾川郡仁淀川町別枝から来た岸本宝栄さん(68)は「昔は子どもがいっぱいいて、踊り子になりたくてもなれんかった。けど今は子どもがいない。祭りをどうにか続けていかんといかん」と話していた。 【写真説明】鼻高などが会場を練り歩くファンの集い(高知市の三翠園 |